自己破産・免責手続き

札幌弁護士会 多重債務解決センター 著

自己破産・免責手続き

質問

自己破産・免責手続きとは?

質問

債務の支払いが不能になった場合、自己破産・免責の申立を行い、裁判所から債務の支払責任を免除してもらう(免責といいます)手続きです。

破産手続開始決定に当たり、一定の基準に照らし、財産がないと扱われた方については、換価配当すべき財産がないわけですので、破産管財人を選任することなく、破産手続開始決定と同時に、破産手続きを終了(同時廃止)させ、債権者の意見を聞いて、裁判所が免責を許可するかどうかを決定します。同時廃止の事件は、特に問題がなければ、裁判所に出頭することなく、申立から3~4か月で、すべての手続きが終了します。

弁護士に頼まずに、自分でも申立できますか?また、費用はどれくらいかかりますか?

  1. 自己破産・免責手続きは、弁護士に頼まずに、自分でも申立ができます。
  2. ただし、裁判所が要求する形式で、借金ができたきっかけから、それが破産申立をしなければならない程度にまで増えた原因・事情について、過去に遡って整理して説明する文章を作成しなければならず、実際のところ、本人では、なかなか難しい面があります。また、同時廃止になるか、破産管財人を選任するかでは、裁判所に現金で納める予納金の金額(同時廃止の場合は、¥10,584ですが、破産管財人が選任される場合には、20万円から50万円くらい)が大きく違ってきますので、事前に、同時廃止事案か否か、また、将来、免責が許可されるか否かを見通す法律的判断が重要になります。

    その意味で、法律の専門家である弁護士、取り分け、札幌弁護士会多重債務解決センターに登録している、多重債務問題に積極的に取り組んでいる弁護士に依頼するのが、一番、的確な判断と回答を得られて、安心です。

  3. 弁護士に自己破産・免責申立事件を依頼した場合、弁護士費用がどれくらいかかるかについて説明します。
  4. 現在は、全国統一又は各弁護士会で定めた弁護士報酬基準はありませんので、各弁護士が、自分で報酬基準を定めており、その基準と依頼者との協議に基づき、個別事件の弁護士費用を取り決めることになっています。

    ただ、「札幌弁護士会多重債務解決センター」は、札幌弁護士会の直営の相談施設ですので、センターで事件の依頼を受ける弁護士には、弁護士費用を30万円+消費税(標準的限度額)以下にしてください、分割払いで事件を引き受けてください、とお願いしています。

  5. 生活保護受給者又は所得の少ない方で、一定の条件を満たす場合には、民事法律扶助という、弁護士費用の立替制度もありますので、相談担当弁護士によくご相談ください。

債権者との間で、公正証書を作成してしまったとか、又は、債権者から裁判を起こされてしまっている場合には、自己破産・免責申立をすれば、給料の差押えなどを受けないで済むと聞いたのですが、本当ですか?

正確には、申立ではなく、破産手続き開始決定がなされた以降は、債権者は、公正証書や判決に基づき、強制執行(差押え)ができなります。ですから、そのような状況になっている場合には、できるだけ早く、弁護士に依頼して、自己破産・免責の申立をしてもらう必要があります。

借金が支払不能であれば、すべての場合に、支払義務を免除されるのですか?

そうとはいえません。

支払不能であっても、「免責不許可事由」が著しい場合には、免責不許可の決定がなされ、せっかく、破産手続きをしても、借金の支払義務がそのまま残ることがあります。

免責不許可事由の典型的な例は、ギャンブル、浪費を繰り返して債務が増大したとか、返済が不可能だと分かっていながら借り入れを繰り返したとか、換金行為を繰り返したとかが考えられます。

免責不許可の決定が出る可能性が高い事案については、債務の発生原因を問わない個人再生手続きの選択も検討しなければならないでしょう。

免責が許可された場合、すべての債務の支払義務が免除されるのですか?

税金や罰金、養育費や婚姻費用分担金等の支払義務は免除されません。

ただし、税金は、滞納者に支払能力の回復の見込みがない場合、徴収停止の措置が取られることはあります。

以前に、一度、自己破産・免責許可決定を受けていますが、再度、自己破産・免責の申立をすることができますか?

以前の免責許可の決定が確定した日から、7年以内は、余ほどのことがない限り、再度の免責許可の決定はされないでしょう。

では、7年以上前に、一度、免責が許可されている場合はどうかといえば、同一か、あるいは、類似する事情や理由によって、多額の債務を再び抱えてしまったケースでは、再度の免責許可の決定は難しいと思います。ただ、前回と今回の債務発生・増加の事情がまったく違う場合には、再度の免責許可の決定がでる可能性も考えられます。やはり、免責制度は、人生最後の切り札と考えておくのが無難です。

自己破産・免責手続きを、弁護士に依頼するのと司法書士に依頼するのでは、どのような違いがあるのでしょうか?

自己破産・免責手続きは、弁護士でなければ代理人になることはできません。

免責不許可事由の程度が微妙な場合には、申立人が裁判所に呼ばれて、裁判官から直接、事情聴取を受けることがありますが、その際には、申立代理人の弁護士は、申立人と同席して、裁判官からの質問に対し、受け答えをすることができますが、司法書士に依頼した場合には、司法書士の立会いは認められず、飽くまでも、書類を作成してもらうだけです。

しかも、先に説明したとおり、自己破産・免責手続きを選択するには、同時廃止事案か、破産管財人が選任される事案かの見極め、免責許可の見込みの有無、自由財産の拡張申立の要否、弁済期間を長期化した個人再生手続きの選択との優劣の検討など、事案に応じて、法的に結論を見通す判断が必要です。更に、債務調査の過程で、過払金が発生していることが判明した場合には、過払金が140万円を超える場合であっても、原告代理人となって、地方裁判所へ過払金返還請求の裁判を提起して過払金を回収し、回収した過払金の多寡によっては、自己破産・免責手続きをせずに、臨機応変に、個人再生手続きや任意整理手続きへと方針を変更し、債務整理手続きを完遂できるのは、やはり、法律の専門家である弁護士ということになるでしょう。

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