声明・意見書

参議院国家安全保障委員会における特定秘密保護法案の強行採決に関する札幌弁護士会会長談話

 政府与党は,本日夕刻,参議院国家安全保障委員会における特定秘密保護法案の審議を突然打ち切り,本法案を強行採決した。
 札幌弁護士会は,この間会長声明において,数多い本法案の問題点を指摘して廃案を求め,また政府与党の本法案の衆議院での採決の強行にも強く抗議してきたところである。
 それにも関わらず,政府与党が2度までも特別委員会において強行採決の愚行を繰り返したことは,民主主義に対する挑戦である。私たちはかかる政府与党の姿勢を強く非難する。
 政府与党は,民主主義社会にとって不可欠な国民の知る権利を侵害する本法案を,国民の付託を受けた国会の場において十分な審議を行わないまま,民主主義の基本ルールを無視して成立させようとしている。かかる政府与党の態度は,二重の意味で,国民の基本的人権と憲法上の権利をないがしろにするものであり,断じて許すことができない。
 ある世論調査によれば,国民の過半数が本法案に反対し,また本法案の慎重審議を望んでいる。
 政府与党は,本法案に関し,今臨時国会での成立を目指す拙速な審議態度を直ちに改め,国民の声に真摯に耳を傾け,本法案を直ちに廃案にすべきである。

2013(平成25)年12月5日
札幌弁護士会 会長  中村 隆

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