声明・意見書

安保関連法施行にあたりその適用・運用に反対し、廃止を求める声明

 本日3月29日、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下併せて「安保関連法」という。)が施行された。
 当会は、昨年5月15日に安保関連法案が国会に上程された後、5月22日の定期総会において「集団的自衛権行使等を容認する閣議決定の撤回を求めるとともに、同閣議決定に基づく関連諸法令の改正及び制定に反対する決議」を採択し、廃案にするべく全力を挙げて取り組んできた。特に、7月11日、9月6日、12月6日、本年3月27日と4回にわたり、北海道弁護士会連合会及び道内の他弁護士会とともに、大規模な集会とパレ-ドを行なうなど広範な市民とともに活動してきた。
 当会は、安保関連法案に関して、繰り返し、集団的自衛権行使容認が憲法9条の恒久平和主義に反して違憲であること、及び、憲法改正手続きを経ずに実質的に憲法を改変するものとして国民主権に反することなどを指摘してきた。また、安保関連法案は、歴代内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を一内閣の閣議決定で許容し、それに基づき立法化するものであり、立憲主義に反すると批判してきた。さらに、国民の間で反対・懸念の声が多数である中、短期間での審議で採決が強行されたことについて、民主主義の根幹を否定する暴挙であると批判してきた。
 このような安保関連法が施行されることは、恒久平和主義と平和的生存権への侵害が具体的に現実化するものである。すなわち、現在、南スーダンに国連平和維持活動(PKO)として派遣されている自衛隊に対し、「駆けつけ警護」や安全確保業務等の新たな任務や、その任務遂行のための武器使用権限が付与されるならば、自衛隊員が任務として海外で他国民を殺傷し、あるいは殺傷されるという事態がすぐにでも生じかねないのである。
 当会は、本日安保関連法が施行されるにあたり、憲法違反の安保関連法が適用・運用されることに強く反対するとともに、安保関連法を廃止し、立憲主義と民主主義を回復するために全力を尽くすことを誓うものである。

2016年(平成28年)3月29日
札幌弁護士会
会長 太田 賢二

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