令和7年3月、「ゲームでトライ 法律相談 ~“出張”の真実~」が完成しました!

 令和7年3月27日、札幌弁護士会は、オリジナルのノベルゲーム「ゲームでトライ 法律相談 ~“出張”の真実~」を公開しました。
 当会が初めて制作したブラウザ版ゲームです。
 ストーリーパートと証拠探しパートに分かれていて、見つけた証拠と選択によって結末が変わる、マルチエンディングシステムとなっています。
 あなたが辿り着くコタエは・・・?
 こちらからアクセスし、遊んでみてください!

 パソコンの場合はエンターキーを押すかクリック、スマホの場合は画面をタップすると、ゲームが進みます。

ストーリーパート ~あらすじを少しだけご紹介~

 羊蹄 南美(ようてい みなみ)、38歳。
 学生時代から交際していた夫の清豊(きよと)と結婚し、息子の北東(ほくと)は3歳になった。
 夫は仕事が忙しくて帰りが遅いこともあるけれど、育児にも慣れてきたし、私もパートとして働きながら、なんとか頑張っている。
 そんなある日、夫は、出張のため、函館に向かった。一泊二日。
 取引先との会食があったからかな、出張の間、私には何も連絡が来なかった。
 翌日、夫は帰って来たけれど、なんだか様子がおかしいような・・・私の考えすぎなのかな・・・
 私は、友人の大雪 西子(たいせつ せいこ)に相談し、2枚のチラシをもらって、あるところへ電話をかけた。

証拠探しパート ~怪しい物がないか、探してみよう~

 ゲーム上の演出として、主人公の南美が自宅やSNSなどで証拠を探す場面があります。
 発見した証拠によって、弁護士からのアドバイスが変わってきますので、何度でも遊んでみてください。
 証拠1つ1つに証拠力の違いがあり、その組み合わせによっては、証拠力が格段に強くなることもあります。
 最初の証拠探しで強い証拠を発見できたときは、弁護士からの特別な回答(専門家の立場から、推認の過程などを詳しく解説しています!)が得られますので、お楽しみに♪

ゲームを通して、法律相談を疑似体験!

 法律トラブルに巻き込まれたとき、あなたならどうしますか。
 札幌弁護士会法律相談センターでは、電話や面談での相談窓口をご用意しています。ご相談料はかかりません。

 イメージしづらい弁護士への相談を、ゲームを通して知ってみませんか?

制作裏話を少しだけ・・・

 「ノベルゲームを作ってみたい」
 弁護士会の広報を担当する広報委員会に所属する若手弁護士からの発案が、全ての始まりでした。
 これまで弁護士や法律相談と接する機会のなかった市民の皆さんに、インターネットを介した広報ができないか。ゲームであれば、イメージもしやすいし、楽しんでもらえるのではないか。
 令和6年度は札幌弁護士会法律相談センターが開設されて50周年という節目の年でもあり、その記念企画として、ゲームの制作に取り組むことになりました。

 ただ、ゲーム好きであっても、ゲームを作ったことのある弁護士というのは、なかなかいません。
 周りに相談し、伝手でゲーム制作経験者や専門業者にお話しを伺って、具体的にどのような作業が必要なのか、何を決めなければならないのか、どうやって進めていくことになるのか、教えてもらいました(ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。)。
 手探り状態でスタートしましたが、令和6年10月下旬、弁護士20名ほど(20代~50代まで幅広い年齢層が集まりました)で、ゲーム制作PT(プロジェクトチーム)を立ち上げました。

 導入(夫を疑う)パート、証拠探しパート、弁護士への相談パート、方法選択パートの4つに分けて、それぞれのチームに4~5名ずつ配属し、シナリオを作りました。
 いざ合体して繋げてみると、キャラクターの口調が違っていたり、ストーリーに矛盾が生じていたり…擦り合わせが必要な点が多くありました。
 また、弁護士が正確な説明をしようとすると、どうしても冗長になってしまい、ボリュームを抑える工夫をすることも求められました。

 PTメンバーの伝手で、イラストレーターの方と繋がることもできました。ゲームに登場するキャラクターは、いずれも、特定の弁護士をモデルに描いてもらっています。

 弁護士会が制作する以上、品位を保ち、どのような立場の方が見ても不快に感じないようなゲームにしたい、そして、市民の皆さまが何か困ったときに役立つ知識が得られて、相談の仕方がイメージできるようなゲームにしたい!との想いで、作りました。
 ゲーム好きの弁護士からは、面白さを追及したいとの声も上がり、4か月程度の制作期間の中で、ゲーム性を高めて、プレイヤーに満足してもらえるものを作り上げることに苦労しました。
 証拠それぞれが持つ推認力についても、相当議論を重ねて、弁護士ならではの発想で作りました。
 証拠探しや、法律相談の場面では、実際に撮影した写真も多く使っています(何百枚も撮影しました…!)。法律相談センターを利用したことがない方にも、相談の場面を想像してもらえることと思います。

 市民の皆さまの中には、「こんなこと、弁護士に相談して良いの?」「もう少し自分で何とかして、限界になってから弁護士に相談すれば良いんじゃないかな?」そんな考えの方も多くいらっしゃるかもしれません。
 ただ、早めに相談していれば円滑に進むこともありますし、手遅れにならないで済むというケースも多いです。相談だけで解決に向かうこともありますので、必ずしも弁護士に依頼しなくて構いません。
 札幌弁護士会法律相談センターでは、電話でも面談でも、無料相談を実施していますので、「まずはお気軽に、弁護士へ相談してもらえるようになってほしい」というのが、ゲーム制作PT一同の願いです。