2010年度

　２０１０年６月２日午後２時４０分頃、横浜弁護士会に所属する弁護士が、同弁護士が所属する法律事務所内において業務中、同事務所を訪れた男性から、胸部等を刃物（サバイバルナイフ）で刺され、死亡するという事件が発生した。

　犯人は現在なお逃走中であり、未だ逮捕に至っていない。これまでの報道によると、凶器を用いた暴力により弁護士の業務を妨害しようとした可能性が高い。

　弁護士を暴力によって死に至らしめるという弁護士業務を決定的に妨害する行為は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の業務（弁護士法第1条第1項）および司法制度、法秩序に対する重大な挑戦であり、断じて許されない。当会は、民主主義と法の支配を貫徹するうえからも、どのような事情があろうとも、このような凶行に及んだ者を強く非難する。

　当会は、これまで業務妨害対策委員会を中心として、弁護士業務妨害の予防及び排除に関する活動を積極的に行ってきたが、今後、一層業務妨害対策を強化するとともに、違法・不当な弁護士業務妨害行為にひるむことなく、引き続き弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現のため、全力を尽くす決意である。

2010年6月8日
札幌弁護士会　会長　　房川　樹芳