任意整理手続き
任意整理手続きとは?
弁護士が法定金利で利息計算をし直して、法律上、本当に支払わなければならない元金額を確定し、これに基づき、債権者と個別に交渉し、支払可能な範囲内の金額で、分割支払の和解を取り付けていく「交渉による債務整理」の方法です。
この方法は、昭和50年代のサラ金地獄といわれた時代から、全国の弁護士が多重債務者救済のために使ってきた手法ですので、弁護士に依頼するのが成功の鍵といえます。日本弁護士連合会は、任意整理手続の基本原則として、
(1) 必ず、法定金利で利息計算をし直して、支払義務のある元金額を確定すること、
(2) 支払義務のある元金額を分割返済するに当たっては、経過利息を付けないこと
を、宣言しております。
個人再生手続きのように、債務の一部をカットできますか?
任意整理手続きは、法定金利で利息計算をし直して、法律上、支払義務のある元金額を確定し、この金額を前提にした分割和解交渉をするわけですので、支払総額は、債権者が高金利で計算した金額よりも、当然に小さな金額になります。
しかし、個人再生手続きと違って、法定金利で利息計算をし直した、法律上、支払義務のある確定元金額を、当然に、更に減額させるという強力なものではありません。あくまでも、「交渉による債務整理」ですので、例えば、債務者本人には支払能力がなく、親族等の第三者が債務整理資金を用意することになったものの、整理資金が元金額に足りないケースでは、債権者との間で、一括支払を条件に、元金の一部カットを内容とする和解交渉を進めることになります。債権者としても、本人に自己破産をされてしまうと、元も子もなくなるので、譲歩せざるを得ない場合もあり、まさに、そこに弁護士の腕の見せ所があるということになります。
個人再生手続きについては、別のページに詳細に解説をしていますので、そちらを参照ください。
任意整理手続きには弱点はありますか?
任意整理手続きは、弁護士が債権者と個別に交渉し、支払可能な範囲内での金額で、分割支払いの和解を取り付けていく作業ですので、粘り強い交渉をしても、一部の債権者との間で、分割金額について折り合いがつかない場合、任意整理手続全体が暗礁に乗り上げるという弱点があります。
ですから、現在では、支払方向での債務整理の手法を選択する場合、個人再生手続きの申立が可能かどうかも併せて検討することが多くなっています。