札幌弁護士会 環境宣言
第1 基本理念
人類は、限りある資源を大量に使用し、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システムによって、自然環境を破壊してきました。これにより地球温暖化をはじめとする地球環境への影響が確実に進行しています。
こうした実情への反省に基づき、私たちの社会は、現代の世代が将来の世代の利益や要求を充足する能力を損なわない範囲内で環境を利用し要求を満たしていく社会(持続可能な社会)へと方向転換をしていかなければなりません。
当会が活動するここ北海道も、四方を海に囲まれるとともに広大な森林に包まれ、世界遺産知床をはじめとして多様な生態系を有する、日本国内でも有数の豊かな自然環境に恵まれた地です。私たちには、将来世代に負担を強いることなく、この環境を守り後世に引き継いでいく責務があります。
しかしながら、北海道においても、ダム問題や大規模開発による自然破壊、海洋プラスチック、外来種問題、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関連する問題など、様々な環境問題が生じています。また、再生可能エネルギーの利用に伴って、風車の乱立やソーラーパネルの過剰設置のような行きすぎた開発の問題が顕在化しつつあることなど、新たな課題も発生しています。
これらの問題、課題を踏まえ、当会及び当会が所属する北海道弁護士会連合会では、これまでに、公害問題・環境問題は人権問題であるとの視点から、悲惨な公害の根絶や自然環境の保全・再生に向けて国や自治体に対して様々な提言を行うとともに、生物多様性、ダム問題、再生可能エネルギー、高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題等に関するシンポジウムの開催などを通じて市民の皆様にも環境保全の重要性を訴えてまいりました。
こうした当会のこれまでの活動を踏まえさらに未来につなげていくために、当会はここに次のとおり宣言します。
1 当会は、地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、全会員及び職員とともに持続可能な社会の形成に向けて、環境負荷の少ない組織体づくりに取り組みます。
2 環境問題について、啓発、意見表明、研修等さまざまな活動を通じ、市民の方々とともに考え、よりよい地球環境づくりに取り組みます。
第2 方針
札幌弁護士会は、事務局運営、委員会活動、法律相談業務、研修業務等、全ての活動を通じて環境負荷を低減するために次の方針に基づき、環境マネジメント活動を推進して地球環境との調和を目指します。
1 当会の活動に関わる環境影響を常に認識し、環境汚染の予防及び環境保護を推進するとともに、環境マネジメント活動の継続的改善を図ります。
2 当会の活動に関わる環境関連の法的及びその他の要求事項を順守します。
3 当会の活動に関わる環境影響項目のうち、以下の項目を環境管理重点テーマとして取り組みます。
(1) 会員・職員、一般市民及び行政・自治体等への啓発活動・情報発信及び提言
(2) 省エネルギーの推進
(3) ペーパーレス化の推進による事務用紙使用量の削減
(4) 廃棄物の排出量の削減
(5) リサイクルの推進
4 ひとりひとりが環境負荷低減活動を積極的に実践できるように、この環境宣言を全会員・職員に配布して周知徹底するとともに、弁護士会のホームページその他の広報手段を通じ、多くの人に伝えることができるようにします。
上記の方針達成のために、目標を設定し、定期的に見直し、環境マネジメント活動を推進します。
2025(令和7)年2月28日
札幌弁護士会臨時総会