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声明・意見書2006年度

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死刑執行に関する会長声明

2006(平成18)年12月28日

札幌弁護士会会長 藤本 明

本年12月25日、東京拘置所において2名、大阪拘置所において1名、広島拘置所において1名の死刑確定者に対して死刑が執行された。

日本弁護士連合会及び当会は、死刑制度の存廃について国民的な議論が尽くされるまで死刑の執行を差し控えるよう声明を発表してきた。しかるに、1年3か月ぶりに死刑が執行されたことは、誠に遺憾である。特に、4名のうち1人が再審請求中であり、1人が再審請求棄却に対する即時抗告の準備中であったことは極めて遺憾である。

死刑については、死刑廃止条約が1989年の国連総会で採択され、国連人権委員会(2006年から国連人権理事会)は、1997年以降毎年、日本などの死刑存置国に対して、死刑廃止に向けて死刑執行停止などを求めている。欧州評議会は、2001年6月、アメリカと日本に対して死刑執行の一時停止と死刑制度廃止を促す決議を採択し、2002年6月には、欧州議会が、日本、韓国、台湾に対し、死刑を廃止か、もしくは死刑執行停止を実現することを要請する決議を採択している。

このように、死刑廃止が国際的な潮流となっている中で、日本弁護士連合会は、2002年11月「死刑制度問題に関する提言」を発表し、死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし、死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑確定者に対する死刑執行を停止する死刑執行停止法の制定を提唱した。また、2004年10月の第47回人権擁護大会においては、「死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開及び死刑問題調査会の設置を求める決議」を採択、死刑の執行停止を求めた。これらを受けて当会も、2004年5月、「死刑制度の現在」と題してシンポジウムを行なった。

本日現在で死刑確定者は98名に上る。また死刑執行命令書にサインを拒否する法務大臣も再三出ている。

当会は日本弁護士連合会とともに、政府に対し、死刑制度に関する情報を広く公開することを要請するとともに、死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑の執行を停止するよう改めて強く要請するものである。

以上

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