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本年3月4日、定額給付金の支給が決定された。
定額給付金給付事業の概要によれば、給付対象者は同年2月1日(基準日)に住民基本台帳に記録されている者とされ、申請・受給者は給付対象者の属する世帯の世帯主とされている。
本基準を形式的に適用すると、現在の不況下で大量に生み出されつつある、「派遣切り」による住居喪失者、「ネットカフェ難民」などを含むホームレス状態にある人々や、いわゆるDV(家庭内暴力)被害によって加害者の下から逃れ、居所を秘匿しつつ生活を送っている被害者をはじめ、たまたま上記基準日以降に離婚が成立して住民票の異動が基準日後になった者など、最も生活に困窮している人々が当該給付金を受けられないこととなる。
これに対し、総務省は、路上生活者などで本来の住所地での不在期間が長く、住民基本台帳から消されている場合は、知人宅などに身を寄せるなどして住民登録をし、DV被害者は、居住する市町村に対して支援措置の実施を申し出ることにより、加害者である配偶者等による住民基本台帳の一部の写しの閲覧や住民票の写しの交付等を制限した上で、実際に居住する住所において住民登録を行うことにより受給できると説明している(同省定額給付金室の平成21年1月27日付「定額給付金給付事業Q&A(その2)」における問15に対する答え)。
しかし、すでに上記基準日を経過してしまっている以上、これから住民票を異動しようと考える者にとっては、給付金を受領する手だてがもはや失われてしまっている。
このような問題を放置することは、個人の人権を擁護する観点から看過できないばかりか、「景気後退下での住民の不安に対処するため、住民への生活支援を行う」という施策本来の目的を十分に達成できない結果をもたらすこととなる。
そこで、当弁護士会は、定額給付金制度導入の目的に鑑み、
を強く求めるものである。
2009年3月25日
札幌弁護士会 会長 三木 正俊
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