『商品先物取引』って、何ですか?
一定の商品について、将来の売買をあらかじめ約束する取引のことです。
今は売買の価格や数量などの約束だけをしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行います。
あらかじめ売買の価格を決めておくことができるので、その商品を扱う専門業者にとっては、価格変動リスクを回避できるという利点があると言われています。
「商品先物取引を始めませんか?」という勧誘を受けました。すごく儲かるような話なんですが、始めても大丈夫でしょうか?
商品先物取引は、一般の方が投資する対象としては極めてリスクの高い取引ですので、注意が必要です。
統計上は、実際に儲かっている人はほんの一部です。もし「他の人もすごく儲かっている」という説明されたなら、それは、きちんとリスクを説明しない、悪質な外務員かもしれません。
それでは、どんなリスクがあるのですか?
取引で損をした場合、自分が投資したお金を失うだけではなく、さらに多額のお金を請求される場合があります。
どうして、自分が投資した以上のお金を払わなくてはならないのですか?
商品先物取引では、取引をする際、「委託証拠金」といって、実際に売買する代金の20分の1くらいのお金で取引ができるからです。
例えば、100万円の委託証拠金を預けて取引をしているとしても、実際には2000万円の取引をすることになります。
将来、価格が上がるか下がるかを予測して売買するのですが、ほんの少し自分の予測と違う方向に価格が動くだけで、追加の証拠金を要求されることになります。
さらには、取引を止めたとしても、予想もしなかったような多額の「差損金」を請求される可能性もあるのです。
でも、勧誘してきた人は「今なら、金の価格は絶対上がる」と言っています。それなら、損はしないのではないですか?
商品の価格変動を正確に予測できる外務員はいません。言葉巧みに勧誘されても、そのまま鵜呑みにはしないで下さい。
特に、利益ばかりを強調する外務員には、注意が必要です。
実は、商品先物取引の仕組みについて説明してもらったんですが、難しくてよく理解できません。でも、「今はわからなくても、取引をしているうちにわかるようになるから、大丈夫ですよ。」と言われました。本当でしょうか?
取引の仕組みや、「どのようなリスクがあるか」、「どのような場合に、どのようなお金が必要になるか」ということが理解できないなら、取引を始めてはいけません。
商品先物取引では、商品の価格が予測と逆の方向に動いてしまったら、追加の証拠金が次々と必要になり、どんどんお金を要求されてパニックに陥ってしまうことも少なくありません。
また、外務員の勧めるままに取引をしていたら、いつの間にか手数料がかさんで損をしてしまうこともあります。
さらに、例えば大豆で損を出したら、外務員が「今度こそ大丈夫ですから、次はトウモロコシを始めて、この分を取り戻しましょう!」などと言って、別の取引を勧めてくる場合もあります。
したがって、一旦取引を始めてしまうと、仕組みを理解する前に大損を出し、やめたくてもやめられなくなってしまう場合も多いのです。
でも、何度も勧誘に来てもらったので、断りにくいし、申し訳ないのですが…。
遠慮は要りません。
むしろ何度説明されても理解できないなら、手を出さないのが一番です。
一度きっぱり断れば、その業者は、もうそれ以上、あなたを勧誘してはいけないことになっています。断わる勇気を持ちましょう。
もし損を出してしまったら、どうすればよいですか?
「先物取引で、この分を取り戻そう」ということだけは、考えないで下さい。取り戻そうとして無理に取引を続ければ、かえって損が大きくなるでしょう。
あなたが取引を始めた経緯や、あなたの取引の内容によっては、業者のやり方に問題があるとして、ある程度の損害を取り戻せる場合もあります。
まずは、弁護士に相談してください。