当番弁護士制度をご存知ですか?
あなたやあなたのご家族、知り合いが警察に逮捕されたら、捕まった人の味方となる当番弁護士を依頼してください。
当番弁護士制度とは
当番弁護士って何?
あなたやあなたのご家族、知り合いが交通事故を起こしたり、覚せい剤・大麻などを持っていたり、使ったり、あるいは殺人、傷害事件を起こしたりして、警察に逮捕されてしまうことがあります。当番弁護士は、こんなときに、あなたや捕まった人の求めに応じて、札幌弁護士会で当番として待機している弁護士が1度、無料で、逮捕されている人のもとに駆けつけ、お話を聞いて、説明をする制度です。
当番弁護士を頼むには
警察に逮捕された時は、すぐにでも弁護士に相談にのってもらいましょう。「弁護士に知り合いがいない・・・」、「どのようにして弁護士に頼めばよいのか・・・」そのような不安を抱く人が多いのではないでしょうか。下記の連絡先にご連絡いただき、当番弁護士制度をご利用ください。
例えばこんな時…
あなた自身が逮捕されたら・・・ 警察官、検察官、裁判官に「当番弁護士を呼んで下さい」と伝えて下さい。当番弁護士が駆けつけます。
家族や知人が逮捕されたら・・・ 弁護士会に電話をかけて、当番弁護士の申込みをして下さい。受付時間は、年中無休・午前9時から午後5時まで(受付時間外は留守番電話による対応となります)。
連絡先
011-272-1010
申込みに必要な内容
- 申込者(電話をしている人)の氏名・電話番号(連絡が取れる番号)
- 逮捕されている人の氏名(漢字)・性別・生年月日
- 逮捕されている場所
- 分かれば逮捕された日時・罪名
- 申込者と逮捕されている人の関係
※当番弁護士の派遣は、本人からの申込みか、家族・知人からの申込みかにかかわらず、同一事件については原則1回のみとなりますのでご注意ください。
また、心配されているご家族のご相談にも応じることができますので、可能な限りご家族の方からの要請をお勧めします。
当番弁護士名簿
もっと詳しい情報
なぜ当番弁護士が必要なの? 当番弁護士はどんなことをしてくれるの?
捕まった人は、警察で取り調べを受けることになります。捕まった人がやっていないという無実の事件では、取り調べで自分がやっていないという言い分をきちんと伝えなくてはなりません。
やったことには間違いないという場合であっても、取り調べではきちんと自分の言い分を伝えないと、あとで捕まった人の不利益になることがあります。
でも、捕まった人は、気が動転してうまく言い分を伝えられなかったり、厳しい取り調べにあきらめてしまって自分の言い分を伝えられないことがあります。そうなると、後で取り返しの付かないことになってしまいます。
当番弁護士は、そうならないように、捕まった人に対して、無理に自分の言い分を話さなくてもいいという黙秘する権利について伝えたり、取り調べにどのように対応したらいいかアドバイスすることができます。
また、捕まった人は、これから自分がどうなるのかと不安になっていることもあります。当番弁護士は、捕まった人に、これからの手続きの流れの説明をして、その不安を解消することもできます。
さらに、当番弁護士は、捕まった人のご家族や知り合いに、連絡することも必要に応じて行います。
被疑者国選弁護人ってなに? 当番弁護士とどう違うの?
警察に捕まってしばらくした後、捕まった人は、国(裁判所)から被疑者国選弁護人という弁護士を付けてもらうことができる制度があります。平成30年6月から、この制度は全ての事件が対象となりました。
でも、この制度は、警察に逮捕されてから、3日間は対象となりません。捕まった人は、弁護士の付いていないその間にも取り調べを受けることになります。また、経済的に余裕のある人は、被疑者国選弁護人を頼めない場合もあります。
当番弁護士は、捕まった人なら、誰でも、いつでも対応します。
あなたやあなたのご家族、知り合いが捕まったら、当番弁護士を申し込むことをおすすめします。
弁護人はなにをしてくれるの?
弁護人として選任を受けた場合、その弁護人は、捕まった人に、継続的に会って、取り調べに対するアドバイスをしたり、これからのことについて相談に応じます。
また、弁護人は、捕まった人が早く、なるべく軽い結果で終わるように、被害者の方に許してもらえるようにお願いをするといった必要な活動を行います。
捕まった人には、家族であっても会えないという場合もあります。弁護人はそういった場合でも、捕まった人に会うことができます。捕まった人と会った結果必要であれば、弁護人は、捕まった人と家族との連絡も行います(事件の証拠を隠したり、犯罪の手助けとなる連絡などはできません)。
弁護人の費用はどうなるの?
捕まった人やご家族に経済的な余裕があれば、弁護人の費用は、そこから払ってもらいます。
でも、経済的な余裕がない場合には、弁護士会が弁護人の費用の全額を援助する仕組みもあります。
だから、経済的な余裕がないからといって遠慮せず、弁護人を頼んでください。
逮捕された後はどうなるの?
<逮捕>
逮捕された人は、「被疑者」と呼ばれ、警察の留置場に捕まって厳しい取調べを受けることになります。
警察は、被疑者を逮捕してから48時間以内に、被疑者を釈放するか、事件を検察官に送致――いわゆる「送検」――するかを決めます。そして、送検を受けた検察官は、それから24時間以内に、被疑者を釈放するか、さらに留置場に捕まえたまま捜査を続けるかを決めなければなりません。
<勾留>
検察官が、被疑者を留置場に捕まえたまま捜査を続ける必要があると判断すると、裁判官に「勾留」を請求することになります。勾留請求を受けた裁判官は、被疑者を捕まえておく必要があると判断した場合、10日間の「勾留」を許す決定をします。
検察官は、この10日間のうちに、被疑者を裁判にかけるかどうかを決めます。事件が複雑で、10日間で被疑者を裁判にかけるかどうか判断しきれないような場合には、最長でさらに10日間まで勾留期間が延長されることがあります。
つまり、逮捕されてから長くとも23日間のうちには、逮捕された方が裁判にかけられるかどうかがわかることになります。
<起訴>
検察官が、被疑者を裁判にかける必要があると判断した場合、裁判所に「起訴」をすることになります。反対に、裁判までする必要はないと判断された場合は、その時点で釈放され、「不起訴」処分がされることになります。起訴されると、被疑者は「被告人」と呼ばれるようになります。
起訴には、「略式起訴」と「公判請求」という2種類があります。
「略式起訴」は罰金刑を求めるもので、一般的にはすぐに釈放されます。「公判請求」は、主に懲役刑を求めるものです。公判請求がされると、通常は警察の留置場から「拘置所」へ移されて勾留が続き、原則として捕まったままになってしまいます。
公判請求がされ、勾留が続いている人は、「保釈」という制度を利用することができます。保釈金を準備して、裁判官の許可を得ることができれば、拘置所から出て、自宅から裁判へ通うことができるというものです。
<裁判>
公判請求の日から1か月ほど経つと、裁判が開かれます。裁判では、被告人が有罪か無罪か、有罪だとすれば刑はどのくらいにするかという判断がされます。裁判にかかる期間や裁判が開かれる回数は、事件の内容によって千差万別です。
裁判で、最終的に「無罪」か「執行猶予」付の判決になると、その時点で釈放されることになります。